おの まさお小野 将生会計コンサルタント

保険営業や店舗運営、国際物流業務など幅広い経験を積んだ後、コンサル兼会計事務所で勤務。2019年に株式会社アクリアへ入社し、ベンチャー企業の支援や自社の経営企画業務を担当。

震災、家族の病気。突然の出来事がキャリアを変えた

小野さんの生い立ちについて教えてください。

千葉に生まれ、東京で育ち、中学と高校は静岡で過ごしました。

大学は、漠然と興味があった「お金」に関する学科がある中央大学へ進学。

学内でダブルスクールができる仕組みがあったので、何となく僕も勉強をして、簿記2級を取りました。大学3年生になると、リーマンショックの影響と簿記を取った経験から、何となく会計士の資格取得のために、TACへ通うようになります。

その後、初めて受けた会計士試験は、短答式に合格したものの、論文式には落ちてしまいました。

再挑戦を考えていた矢先、東北大震災が起こりました。さらに、同時期に、母親が癌で倒れるといった出来事も発生。

そのため、会計士資格を諦めて地元へ戻り、企業へ就職することにしました。

会計士への道を閉ざし、次はどのようなキャリアを選んだのでしょうか。

最初に、地元の保険代理店へ就職しました。大学時代に保険の勉強をしていたことや、母ががん保険に助けられたこともあり、縁を感じて応募しました。

営業の仕事自体に抵抗はなかったので、まずは保険を学び、営業をしてみて、自分が生きていけるのかをチェックしようと思っていました。

そこでは、ソニー生命の保険を取り扱っており、彼らが大切にしている「傾聴」の営業スタイルを、徹底的に研修やロールプレイで叩き込まれました。

そして、1年半くらい営業を経験した後、会社都合で別事業部へ異動をすることに。

営業とは毛色が全く異なる、喫茶店の店長を任されることになりました。営業をやりきったとは思えませんでしたが、求められる役割があるのであれば、やってみようと思い飛び込みました。

原価計算や店舗マネジメント業務を経験できましたが、深夜2時まで勤務し、朝6時に出勤するような働き方が厳しくなり、半年で退職しました。

退職から3ヶ月が経ち、知人の紹介で大手国際物流会社へ転職することに。営業をしながら輸出入のオペレーションリーダーをする役割を担っていました。

前職とは異なり、各々が役割を持ち、チームで動く働き方が楽しかったですね。

業務効率化のためにプログラミング等を独学で学び、VBAでチーム内業務を徹底的に効率化して、社内表彰を受けたこともありました。今でも、この経験が自信に繋がっていますし、仕事の進め方やチームでの動き方は、ここで身につけられたんだと思います。

そして、勤務をして4年が経ち、「30歳」という年齢が目前に迫ってきました。

今後のキャリアを見つめ直していた頃、たまたま独立会計士の方と連絡を取っていると、彼のコンサル会社兼会計事務所で人を募集しているとのこと。

あの頃、必死に勉強していた会計に関わる仕事に、今の僕が就いたらどうなるのか?

そんな興味とご縁を感じて、転職することを決めました。

応援したい仲間のために、自分の役割を担い、軽やかにキャリアをつくる

次の会社では、どのような経験を積まれたのでしょうか。

会計事務所では、記帳や決算・申告業務など、基本的な経理業務を担っていました。パート社員の業務の取りまとめやレビューなど、幅広く経験させてもらいました。

また、中小や零細企業のクライアントに対して、経理の必要性を知っていただくことから、伴走支援をしていました。そして、コンサル会社にも所属をし、会計ソフトの導入や管理会計の導入、補助金や融資の支援なども行っていました。

入社をしてから3年が経った頃、一緒にTACで頑張っていた成田と再会することに。会計分野のプロとして、アクリアでイキイキと働いている話が印象的でした。

ちょうど、僕自身も子どもが生まれたばかりで、これからの子育てや自分のキャリアについて考えていた頃でした。

「東京での生活は、キャリアも子育ても、豊かな未来を描けそう」

断る理由が見つからず、アクリアへ飛び込むことを決めました。

知識・経験を総動員させ、幅広い提案でクライアントへ価値を提供

アクリアではどのような仕事を担当していますか。

入社当初は、クライアントワークをメインに担当していました。業務範囲は幅広く、上場企業のグループ会社の月次決算支援や業務改善、ベンチャー企業の事業計画策定、大規模社団法人の決算レポート作成や研修業務などを行っていました。

並行して全社業務のプロジェクトマネージャーも担っていました。こちらも幅広く、ベンチャー支援サービスの開発やWebマーケティング戦略の立案など新規サービスに関する開発業務、インターン制度の運用、営業フォーマットの作成などに関わっていました。

2021年からは、徐々に会社の経営企画に関わるように。昨年からは、組織が拡大していることもあり、業務の割合が経営企画とクライアントワークで同じくらいになりました。

クライアントワークに関しては引き続き、ベンチャー支援に携わっています。企業の経営層と一緒に事業計画を作成し、予実を見ながら振り返りや原因分析を行う役割を担うことが多いですね。

小野さんが幅広い仕事を担当できるのは、なぜでしょうか。

僕自身、会計士や税理士の資格を持っているわけでもなく、大手の監査法人出身者でもありません。

けれども、営業やロジカルシンキング、エクセルの使い方など、様々なスキルを総動員できるからこそ、クライアントへ返せる価値があるんだと思います。

もちろん、会計士試験の知識や会計事務所での実務経験がベースにあるからこそ、出来ることです。

例えば、メインで担当しているベンチャー企業には、経理部が存在しない会社が多数あり、仕組みづくりから伴走する必要があります。

このようなアプローチは、大手企業のみを担当していると提供できないかもしれませんね。

そして、資格を持っていない僕が活きるのは、アクリアの業態や仕事の進め方のおかげだとも思います。

アクリアは、会計や税務、財務の分野にメインの強みがありますが、「クライアントの悩みに寄り添うこと」を大切にする、コンサルタントの仕事をしています。

直接的なソリューションが価値になることもあれば、寄り添う姿勢そのものが重要になることもあります。知識はもちろん大事ですが、今まで身につけたポータブルスキルやソフトスキルを使いこなす知恵も大事だったりします。

今取るべき最善、かつ中長期的に効果がありそうな解決策を見つけるには、手段に固執せず、幅広い知見を持って選択した方がいいのかなと思いますね。

だからこそ、それを全て一人で担う必要はありません。アクリアには各々の得意分野を持ったメンバーがいます。個人のスキルの組み合わせだけでなく、メンバーとのスキルの掛け合わせをして、チームでクライアントに価値を提供することができる環境だと感じています。

ベクトルを外に向けた「良い人」が集い、活かし合う組織づくりをしていきたい

さまざまな会社を経験された小野さんが感じる、アクリアの組織の特徴は何でしょうか。

興味関心の矢印が、クライアントや共に働くメンバーなど、外へ向いている「良い人」がいる組織だと思います。仕事を自分ごととして捉え、向き合える人が多いですね。

さらに、みんなで組織をつくる文化があることも特徴の一つだと思います。入社年次関係なくフラットに意見を出し合い、会社をつくり上げています。

それぞれがスキルやノウハウを惜しみなく発揮し、クライアントやメンバーへ価値を提供する文化が根付いている会社がアクリア。

ここには、一緒に働くメンバーや仕事を通じて、学び成長できる環境があると思います。

今後、アクリアをどのような会社にしていきたいですか。

「良い人」が働き続けられる、入社したくなる組織がある会社を目指したいですね。

僕たちが行っているビジネスは、専門的な知見を持ったメンバーがクライアントに寄り添い、伴走して課題解決をするものです。そのため、人そのものが価値であり、商品と言えます。

だからこそ、事業を継続するためにも「良い人」が必要不可欠です。理想は、役員の皆さんのスケジュールが採用するための面接で埋まっていること。そして、入社した「良い人」がどんどんクライアントに価値を提供し、新しいお仕事が増えているような状態でしょうか。

そのためには、経営企画として、「良い人」が長く働きたいと思える仕組みや文化をつくっていきたいです。