こばやし ゆうま小林 悠馬会計コンサルタント

公認会計士試験合格後、EY新日本有限責任監査法人へ入所。約4年間勤務し、2022年に株式会社アクリアへ入社。

将来のキャリアを描くために、幅広い選択肢を持っていたい

小林さんの学生時代について教えてください。

神奈川県に生まれ、小学校から高校まではサッカーに明け暮れる学生時代を過ごしていました。高校では物理や数学が得意だったので、大学もそのまま理系に進もうか悩んだのですが、しっくりこなくて。

当時、理系に進むということは、エンジニアや研究職に就く道だと思っていたんです。だからといって、明確に就きたい仕事があるわけでもない。それならば、将来を選択するための情報を幅広く得られそうな分野に進学しようと思い、経営学部を選びました。

とはいえ、強い目的意識を持って進学をしたわけではないので、「このままでいいのかな」「将来はどうなっているんだろう」と漠然とした不安を大学1年次から抱えていました。

そんな時にたまたま出会ったのが、大学で行われていた簿記の講座でした。将来への不安を解消するための何かが見つかるかもしれないと思い、とりあえず受講することにしました。

最初は何となく始めた簿記でしたが、数字が好きなことや一緒に勉強する仲間の存在もあって、次第に楽しいと感じるように。

そして、学んでいくうちに、簿記と仕事との接続をより意識するようになりました。一番に思いついたのが銀行員でしたが、銀行員として働く姿はあまりイメージを持てなくて。

そんな時に、講師の方から会計士の仕事を教えてもらいました。初めて仕事内容を聞いた時は「こんな仕事があるんだな」くらいに捉えていました。

そこから、本格的に会計士を目指すようになったきっかけは何ですか。

周囲の影響が大きいですね。

大学1年生の終わり頃になると、簿記講座を受講していた学生の中には、すでに会計士試験の勉強を始めている人もいて、自分の進路を決めている姿に焦りを感じ始めました。

自分に合う仕事やしたいことを考える中で、ふと講師の方から聞いた会計士の仕事を思い出しました。多くの会社や業種を見る機会がある会計士は、将来の方向性を決めきれない私にとって、キャリアを描くヒントが見つかるのでは、と初めて興味を持った仕事でした。

ただ、会計士を目指すためには周りの協力が必要不可欠。今まで、親に意思を強く主張することはなかったのですが、この時ばかりは頼み込みました。

そして、本格的に会計士の勉強をスタートしました。継続できたモチベーションは「後悔することへの不安」でしょうか。失敗したとしても、まずは挑戦してみた方がいい。そんな思いで取り組んでいましたね。

行動の原点は、未来の自分に対する違和感と期待

試験に合格された後、監査法人に就職されましたね。

会計士試験は、無事に大学3年生で合格しました。そして、一緒に働く人の雰囲気の良さに惹かれてEY新日本有限責任監査法人への入所を決めました。

入所をしてからの1年間は、製造業のクライアントの監査を担当していました。2年目からは主査も担当し、実務に加え、現場の進捗管理や品質管理などのマネジメントに携わるように。職務範囲が広がり、視座が高まる機会をいただきました。

ところが、監査経験を3年ほど積み、修了考査を受けるタイミングで、「この先も監査業務を続けたいのか?」と自分に問うと、「YES」と即答できない自分がいました。

決して仕事が嫌いだったわけではありませんが、この先のキャリアを考えた時に自分の可能性が広がるイメージを持てなかったんです。

また、年次を重ねてお客様に向き合えば向き合うほど、監査業務だけに囚われず、深く寄り添いたいという気持ちが強くなっていきました。

この思いを叶えてくれる仕事は何なんだろう。まずは視野を広げるために、入所3年目の終わり頃から転職活動を始めることにしました。

どのような思いで転職活動に取り組んだのでしょうか。

最初は、今までの経験を活かせる仕事として、ベンチャー企業のCFOや大手企業の経理、FASなど幅広く見ていました。様々な選択肢を知る中で、まずはいろいろと経験してみたいという気持ちが次第に強くなりました。

その中でも、クライアントが抱える課題に合わせて、多様な会計知識を活かし寄り添う会計コンサルは、お客様に深く寄り添えると共に、将来の可能性を広げることにもつながると感じ、興味を持ちました。

また、特定の業務領域に限定されたくなかったため、縦割りの組織ではなく、幅広く横断的に業務を任せてもらえそうなコンサル会社に絞って転職活動を進めることにしました。

そこで転職エージェントから紹介されたのが、アクリアでした。

幅広いドメインを持ち、お客様に寄り添い仕事ができる環境や、代表やメンバーの温かい人柄が非常に魅力的でした。

前職は、良い仲間と働けて早い段階から仕事を任せてもらえる素敵な職場でした。その環境から離れることに迷いはあったものの、「今、チャレンジをしない理由」が明確に見つからなくて。そして、そんな気持ちで働き続ける自分に納得ができませんでした。

この先、行動を起こせなかったことを後悔したくない。将来の自分と今の自分を天秤にかけ、思い切って転職することを決断しました。

多様な機会に飛び込むことで、少しずつキャリアを形成

2022年7月にアクリアへ入社。現在は、どのような業務に携わっていますか。

幅広い仕事に関わらせてもらっていますね。月次決算業務に軸足を置きながら、未経験の業務にチャレンジしています。

具体的には、上場会社や上場準備会社の連結決算、月次決算、開示書類作成、及びその中で発生する事業上の会計論点の整理や監査法人対応等を支援しています。

加えて、財務デューデリジェンスや事業計画の策定支援、内部統制の構築支援、予実管理支援など、さまざまな仕事に携わっております。

また、アクリアではチーム制をとっており、各プロジェクトごとにチームを組んで業務を進めています。その中で私は、プロジェクトによっては、チームリーダーとして全体スケジュール管理や予算管理といった役割も担っています。

どのプロジェクトに携われるかは時期やスキル、状況によりますが、「ノウハウシェア」と「機会の提供」の文化が根付いているおかげで、新しい仕事に挑戦しやすい環境が整っていると感じています。

そして、アクリアへ入社したからこそ、新しいスキルを身につけることができました。

クライアントと近い距離で仕事をする機会が多い中、適切なタイミングでコミュニケーションをとることや、自然と耳に入るクライアントの情報にも意識を向けることで、普段の対話の中から課題を捉えられるようになりました。

さらに、課題解決に際しては根本的な原因を明確にするため、常に構造的に捉えて解決策を導き出すことを意識しています。

クライアントへ深く寄り添う理想の姿に、少しずつ近づけていると思いますね。

今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

これからのキャリアの方向性はまだ明確ではありませんが、アクリアでの経験を経て、自分の強みや適性がより見えてきました。特に、ベンチャー企業のようなスピード感のあるお客様との仕事が、自分に合っていると感じています。

そうした企業では、会計面に限らず幅広い課題に対応する必要があり、ゼネラルなスキルが求められます。

そのため、引き続き未経験の分野も含めてあらゆる機会に飛び込み、幅広い経験を積んでいきたいと思っています。その中で、他の人には負けない自身の強みを作っていきたいです。

そして、その過程で得た知識や経験を、クライアントやチームメンバーに還元していきたいですね。